(TV)アンタッチャブル・リターンズ THE RETURN OF ELIOT NESS
(TV)マフィア・プリンセス/愛と抗争の果てに MAFIA PRINCESS

作曲・指揮:リー・ホールドリッジ
Composed and Conducted by LEE HOLDRIDGE

(米Dragon's Domain Records / DDR773)

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「(TV)エデンの東」(1981)「ミラクルマスター/七つの大冒険」(1982)「スプラッシュ」(1984)「私が愛したグリンゴ」(1989)「(未公開)ロング ウェイ ホーム 遥かなる故郷 イスラエル建国の道」(1997)「(TV)アヴァロンの霧」(2001)等のリー・ホールドリッジ(1944〜)が手がけた、実在の人物が主人公のテレビ映画2本のスコア(LEE HOLDRIDGE COLLECTION VOLUME 3)。いずれも初アルバム化で、500枚限定プレス。

「(TV)アンタッチャブル・リターンズ(THE RETURN OF ELIOT NESS)」は、1991年製作のアメリカのテレビ映画(日本では劇場未公開でビデオ発売済)。監督は「(TV)X-ファイル」(1994〜1995)「(TV)アメリカン・ゴシック」(1995〜1996)「(TV)バフィー〜恋する十字架〜」(1997〜2003)「(TV)ヤング・スーパーマン」(2001〜2002)「(TV)スター・トレック エンタープライズ」(2001〜2003)等のジェームズ・A・コントナー(1947〜)。出演はロバート・スタック、ジャック・コールマン、フィリップ・ボスコ、アンソニー・デサンド、リサ・ハートマン、チャールズ・ダーニング、マイケル・コープマン、ロン・リー、フランク・アダムソン、ショーン・オースティン=オルセン、J・ウィンストン・キャロル、ジョージ・チュヴァロ、マイケル・カービィ、ドワイト・バッキー、ラミー・ビショップ他。脚本はマイケル・ペトリーニ。撮影はフランソワ・プロタ。

実在のアメリカ財務省捜査官エリオット・ネス(1903〜1957)と、シカゴの犯罪組織のボス、アル・カポネ(1899〜1947)との対決を描いたテレビシリーズ「(TV)アンタッチャブル」(1959〜1963)で主人公のネスを演じたロバート・スタック(1919〜2003)が、34年ぶりに同じ役で復帰した犯罪ドラマ。1947年、捜査官を引退していたエリオット・ネス(スタック)は、射殺された元同僚の葬儀に参列するためシカゴに戻って来た。殺された元同僚が汚職警官だったとの噂を聞いたネスは、それを信じることができなかったが、やはり警官の職についていた彼の息子は、それが事実だと考えているようだった。ネスはその息子の警官と一緒に真実を探るため独自に調査を開始し、やがて殺された元同僚がアル・カポネの仲間に関わる事件を捜査していたことを知る……。このテレビ映画が製作された4年前に、ケヴィン・コスナーがネス、ロバート・デ・ニーロがカポネを演じ、ブライアン・デ・パルマが監督した映画「アンタッチャブル」(1987)がヒットしているので、その成功にあやかろうとしたのだろう。

リー・ホールドリッジのスコアは、「Gang War in 1947, Chicago」が、ヒロイックでダイナミックなネスの主題からビッグバンドジャズ、スリリングなタッチへと展開する曲。「Ness Arrives / Madeline」「Cafe Stakeout / "I Want Ness Dead"」「Investigation Montage」は、ヒロイックなネスの主題からけだるいサックスをフィーチャーした主題へ。「Bigger Than Capone / Lobby Hit」「Bobby Threatens Finn」は、静かにドラマティックなタッチの曲。「Raid Montage」は、ダイナミックなビッグバンドジャズ。「Finn Is Murdered / Madeline And Gil」は、ダークなサスペンス調からネスの主題へ。「Ness Finds Bobby / Madeline Seduces Gil」は、サックスとピアノをフィーチャーしたネスの主題。「Bedroom Scene / “I've Got a Job to Finish”」は、ピアノとストリングスによるネスの主題。「Molto Kills Madeline / Finale」は、不吉なサスペンス音楽からネスの主題、ビッグバンドジャズによるフィナーレへと展開。最後にソフトなタッチのジャズによるソース曲「Hotel Lobby」「Radio Jazz」「Night Club Band」を収録。映画の舞台となる1940年代を象徴するジャズを織り込んだスコア。

「(TV)マフィア・プリンセス/愛と抗争の果てに(MAFIA PRINCESS)」は、1985年製作のアメリカのテレビ映画(日本では劇場未公開でビデオ発売済)。監督は「(TV)アウトロー刑事・セルピコ」(1976〜1977)「(TV)冤罪」(1980)「マン・ハンティング/人間狩り」(1981)「(TV)FBI/アメリカを知りすぎた男」(1986)「(TV)ナイト・トラップ」(1991)等のロバート・L・コリンズ(1930〜2011)。出演はスーザン・ルッチ、キャスリーン・ウィドーズ、トニー・カーティス、チャック・シャマタ、ルイス・ディ・ビアンコ、デヴィッド・デ・サンティス、マーシャ・モロー、アルバート・シュルツ、ノーマ・エドワーズ、ケン・ポーグ、トム・ハーヴェイ、ビル・レイク、ローリー・ウォーラー=ベンソン、ジョン・マッケンジー他。アントワネット・ジアンカーナとトーマス・C・レナーの原作『マフィアプリンセス』を基にロバート・W・レンスキーが脚本を執筆。撮影はアレクサンダー・グラジンスキー。

アル・カポネの部下として頭角を現し、1957年にマフィア組織“シカゴ・アウトフィット”のボスとなったサルヴァトーレ・ジアンカーナ(1908〜1975)の長女アントワネット・ジアンカーナ(1935〜)の自伝を映像化。アントワネットをスーザン・ルッチ、サルヴァトーレをトニー・カーティスが演じている。サルヴァトーレはジョン・F・ケネディ大統領当選の陰の功労者であったとともに、ケネディ暗殺の黒幕の1人とも言われている人物。

リー・ホールドリッジのスコアは、「Main Titles / Sam Arrives Home」が、マンドリンとアコーディオンをフィーチャーしたメランコリックでドラマティックなタッチのメインタイトル。「Sam Sneaks into His Parents Apartment」は、舞踏音楽風のメランコリックな曲。「Sam's Return (Unused)」「Praying at the Dinner Table」「Mourning Mom / Antoinette's Overdose」は、メインの主題のバリエーション。「Antoinette at the Convent」は、ピアノとストリングスによるジェントルなタッチの曲。「Antoinette Arrives in Hollywood」は、ダンスミュージック風のノスタルジックなタッチの曲。「Antoinette in Bed With Spiros / The Abortion」「Antoinette Opens Up / Dinner with Jimmy」は、ジェントルなタッチの曲。「Sam's Death / End Credits」は、マンドリンをフィーチャーしたメインの主題のリプライズによるエンドクレジット。「First Communion」は、ソプラノによる「アヴェ・マリア」の引用。「Smith's Speakeasy」は、ライトなピアノジャズ。「Night Club」は、ビッグバンドジャズ。「Tarantella Napoletana」は、アコーディオンによるタランテラ。「Wedding Dance」は、ギターをフィーチャーしたメランコリックなタッチの曲。最後にスタジオ録音中の会話「Studio Chatter」が収録されている。マフィアの家族がテーマになっているせいか、ニーノ・ロータ作曲の「ゴッドファーザー」を意識したタッチのスコアになっている。オーケストレーションはリー・ホールドリッジとアイラ・ハーシェン。
(2023年11月)

Lee Holdridge

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