(未公開)レザレクション/復活 RESURRECTION
作曲・指揮:モーリス・ジャール
Composed and Conducted by MAURICE JARRE
(米Intrada / Intrada Special
Collection Volume ISC 515)
1980年製作のアメリカ映画(日本では劇場未公開でビデオ発売済)。監督は「ベッツィー」(1978)「アパッチ砦・ブロンクス」(1981)「コクーン2/遥かなる地球」(1988)「(TV)キッシンジャー&ニクソン/合衆国の決断」(1995)「(TV)奇跡の翌日/その後のヘレン・ケラーとアニー・サリバン」(1998)等のダニエル・ペトリ(1920〜2004)。出演はエレン・バースティン、サム・シェパード、リチャード・ファーンズワース、ロバーツ・ブロッサム、クリフォード・デヴィッド、パメラ・ペイトン=ライト、ジェフリー・デマン、エヴァ・ル・ガリエンヌ、マデレーン・ソーントン=シャーウッド、リチャード・ハミルトン、カーリン・グリン、レイン・スミス、ペネロープ・アレン、エビー・ロー・スミス他。脚本はルイス・ジョン・カリーノ。撮影はマリオ・トッシ。
夫ジョー(デマン)の運転する車に同乗していたエドナ・メエ・マコーレイ(バースティン)は、交通事故でジョーを失い、自らも重傷を負って一時的に死後の世界を彷徨った。奇跡的な生還の後でヒーリング能力を身につけていることに気がついたエドナは、障害や怪我に悩む多くの人々を癒し、夫の死で深く傷ついた自らの心が癒えるにつれ明るさを取り戻していく。彼女が重傷から救ったカル・カーペンター(シェパード)とも親しくなり、再び幸せを掴んだかに見えたエドナだったが、狂信的なキリスト教徒である父親に育てられたカルは、彼女をキリストの再来だと考え、恐れるようになる……。実在のヒーラーであるロザリン・ブルイエール(Rosalyn
Bruyère)がテクニカル・アドバイザーとして製作に参加している。製作費は約600万ドル。全世界興行収入は約391万ドル。1980年度アカデミー賞の主演女優賞と助演女優賞にノミネートされ、1981年度アボリアッツ・ファンタスティック映画祭の審査員特別賞を受賞している。
音楽はフランスの作曲家モーリス・ジャール(1924〜2009)で、これは彼が「ブリキの太鼓」(1979)「(TV)将軍
SHOGUN」(1980)「砂漠のライオン」(1981)といったバラエティに富んだスコアを手がけていた頃の作品。このスコアの初リリースで、限定プレス。「Resurrection」は、ストリングス、ハーモニカによるドラマティックでエモーショナルなメインの主題。「Sad
News」は、ジャールの個性が良く出た明るく快活な主題からフルートとストリングスによるダークでメランコリックなタッチ、フルートによるメインの主題へと展開。「Esco」は、フルートとストリングスによるジェントルな主題からメインの主題、ハーモニカとバンジョーによる快活なタッチへ。「Faith」は、静かにダークでドラマティックなタッチの曲。「You'll
Be Leaving Again」は、ダークなイントロからドラマティックな主題へ。「Healing Cal」は、静かにドラマティックなタッチからメインの主題、ハーモニカとバンジョーによる快活な主題へ。「What
Else Can You Feel in Me?」も、ハーモニカとバンジョーによる快活なタッチの主題。「Another
Miracle」は、ダークなサスペンス音楽からメインの主題へ。「Father's Death」は、重厚なサスペンス調からメインの主題へ。「Chasing
the Devil」は、重厚でダイナミックなサスペンス音楽。「Abandoned House」は、ドラマティックなタッチからハーモニカによるメインの主題等、様々な主題が展開していく。以上、45分強のスコアに続いて、代替テイク等の12曲のエクストラを収録。ベテランのモーリス・ジャールらしいエモーショナルでドラマティックなオーケストラル・スコアだが、ここに収録された音楽の大半は映画では未使用となった。
(2025年3月)
Maurice Jarre
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