その日その時 MOMENT TO MOMENT

作曲・指揮:ヘンリー・マンシーニ
Composed and Conducted by HENRY MANCINI

(米La-La Land Records / LLLCD1628)

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1965年製作のアメリカ映画(日本公開は1967年6月)。製作・監督は「哀愁」(1940)「心の旅路」(1942)「若草物語」(1949)「クォ・ヴァディス」(1951)「ミスタア・ロバーツ」(1955)「悪い種子」(1956)等のマーヴィン・ルロイ(1900〜1987)で、これは彼の遺作。出演はジーン・セバーグ、オナー・ブラックマン、ショーン・ギャリソン、アーサー・ヒル、グレゴワール・アスラン、ピーター・ロビンス、ドナルド・ウッズ、ウォルター・リード、アルバート・キャリア、ローマックス・スタディ、リチャード・アンガロラ、ジョルジット・アニス、ジャン=ミシェル・ミシュノー、ウォード・ラムジー、ロバート・ネイピア他。「めまい」(1958)「放浪の剣豪」(1962)等の脚本を手がけたアレック・コッペル(1907〜1972)の原作『Laughs with a Stranger』を基に、ジョン・リー・メイヒンとアレック・コッペルが脚本を執筆。撮影はハリー・ストラドリング。

夫の精神分析医ニール・スタントン(ヒル)、息子のティミー(ロビンス)と一緒に休暇で南仏の保養地に滞在していたケイ(セバーグ)は、夫の外出中に若いアメリカ海軍少尉のマーク・ドミニク(ギャリソン)と知り合い、関係を結んでしまう。ケイはこれ以上深い仲になるつもりはなかったが、マークは熱烈に彼女に求愛するようになり、遂には拳銃で自殺すると騒ぎはじめた。驚いたケイが拳銃を取り上げようとマークともみ合うあうちに銃が暴発してしまい、マークは倒れた。ケイは隣に住む親友のダフネ・フィールズ(ブラックマン)に助けを求め、彼の死体を渓谷に捨てに行く。その後数日経過したが、新聞では何も報道されなかった。不安になったケイは現場に行ってみるが、そこに張り込んでいた地元警察のドゥファルゴ警部(アスラン)に尋問されることに……。

音楽は「ティファニーで朝食を」(1961)「ハタリ!」(1962)「酒とバラの日々」(1962)「シャレード」(1963)「ピンクの豹」(1963)「ひまわり」(1970)「料理長殿、ご用心」(1978)「スペースバンパイア」(1985)等のヘンリー・マンシーニ(1924〜1994)。このスコアの初リリースで、1500枚限定プレス。「Main Title ('Moment To Moment') 」は、ホルンによる荘厳なイントロからコーラスをフィーチャーしたマンシーニらしいリリカルな主題歌(作詞:ジョニー・マーサー)へ展開するメインタイトル。「'Moment To Moment' Prologue」は、抑制されたサスペンス調のプロローグ。「The Flower Stalls」「Homecoming」は、ジェントルでリリカルなタッチの曲。「Daphne Drops In」「Chicken Salad」は、ギターをフィーチャーしたジェントルな曲。「First Goodbye / Invitation」は、ピアノ、ストリングス、ギターによるリリカルな曲。「Hotel Terrace」「Flower Stalls Dance」は、軽快なダンス・ミュージック風の曲。「On the Road」は、アコーディオンをフィーチャーしたメインの主題のバリエーション。「Mougins」も、アコーディオンによるメランコリックでリリカルな曲。「Pier Parting」「Beach Party」「Gallery Montage」「Stormy Romance」は、メインの主題のバリエーション。「Missing Mark」は、ピアノをフィーチャーした静かにドラマティックな曲。これ以降はダークなトーンになり、「Pick It Up / Help」「Scene of the Crime」「Passport」「Mark's Return / Something Clicks」「More in Mougins」と、不吉なタッチのサスペンス音楽が連続。「Moment To Moment Dance」は、メインの主題のダンス・ミュージック風アレンジメント。「The Missing Piece」は、ギターをフィーチャーしたメインの主題を含む抑制されたサスペンス音楽。「Mark Remembers」も、ダークでドラマティックなタッチのメインの主題のバリエーション。「The Terrace and End Title ('Moment to Moment')」は、ヴァイオリン・ソロをフィーチャーしたメインの主題のリプライズによるエンドタイトル。「'Moment To Moment' End Cast」は、コーラスによる主題歌。最後に追加音楽としてダンス・ミュージック風の「The Flower Stalls (Alternate)」「Hotel Terrace (Alternate)」、ギターによるメインの主題の演奏「Moment To Moment Guitar」を収録。

ヘンリー・マンシーニらしい都会的で洒落たタッチの曲と、ヒッチコック映画風のストレートなサスペンス音楽を組み合わせたスコア。
(2024年2月)

Henry Mancini

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