マウス・ハント MOUSE HUNT

作曲・指揮:アラン・シルヴェストリ
Composed and Conducted by ALAN SILVESTRI

演奏:ハリウッド・スタジオ交響楽団
Performed by the Hollywood Studio Symphony

(米Varese Sarabande / VCL 0723 1236)

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1997年製作のアメリカ映画(日本公開は1998年3月)。監督は「ザ・リング」(2002)「パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち」(2003)「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」(2006)「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」(2007)「ランゴ」(2011)「ローン・レンジャー」(2013)等のゴア・ヴァービンスキー(1964〜)で、本作が彼の長編劇映画デビュー。出演はネイサン・レイン、リー・エヴァンス、ヴィッキー・ルイス、モーリー・チェイキン、エリック・クリスマス、マイケル・ジェッター、デブラ・クリストファーソン、カミラ・ショーンバーグ、イアン・アバークロンビー、アナベル・ガーウィッチ、エリック・ポッピック、アーニー・サベラ、ウィリアム・ヒッキー、クリフ・エミッチ、クリストファー・ウォーケン他。脚本はアダム・リフキン。撮影はフェドン・パパマイケル。ヴィジュアル・エフェクツ・スーパーヴァイザーはチャールズ・ギブソン。アニマトロニック・クリーチャー・デザイン&エフェクツはスタン・ウィンストン。

崩壊寸前の製糸工場と屋敷を相続したアーニー(レイン)とラーズ(エヴァンス)のスマンツ兄弟は、この屋敷が実は著名な建築家の幻の遺作であったことを知る。さっそく競売に掛けようとリフォームを開始するが、それを屋敷の先住者である1匹のネズミが邪魔する。ネズミ獲り機もネコも最新のハイテク機材で身を固めたマウスハンター(ウォーケン)も、まったく歯が立たない。しかし偶然放り投げたオレンジが当たり、気絶したネズミを小包で送ることに成功する。ところが、競売にのぞんだ兄弟の元へ小包が送り返されてきて、ネズミで会場は大混乱に……。スティーヴン・スピルバーグ、ジェフリー・カッツェンバーグとデヴィッド・ゲフィンが設立したドリームワークス・ピクチャーズによる劇場映画第2作で、初のコメディ映画。製作費は約3800万ドル。全世界興行収入は約1億2242万ドル。

音楽はアラン・シルヴェストリ(1950〜)。このスコアは公開当時の1997年に米Varese Sarabandeレーベルから全17曲/約29分収録のサントラCD(Varese Sarabande VSD-5892)が出ていたが、同じVareseレーベルが2023年7月にリリースしたこのCDは全44曲/約66分半収録のデラックス・エディション盤で、2000枚限定プレス。

「Funeral Prologue」は、冒頭の葬式のシーンでのオルガンをフィーチャーしたダークで重厚なタッチの曲。「Main Title」は、バスーンによるネズミの主題を含む躍動的でダイナミックなメインタイトル。「Also, a House」は、メインの主題の静かなバリエーションで、この主題は「Hot Tubbogan」「Shit Explosion」「Face Walk / Caesar's Truck」等で何度も登場する。「Chez Ernie」「Lobster Biblioteque」は、アーニーが経営するレストランでのビッグバンド・ジャズ。「Walking Crouton / Love the Almonds」は、抑制されたサスペンス調からリリカルなラヴ・テーマへ。「Dying Wish」「Out on the Street」「Together Again」も、ラヴ・テーマのリプライズ。「I'll Be Home for Christmas」は、ジェントルなタッチの曲。「Home Sweet Dump」「Meet the Mouse」「Falko / Ten Million Dollars」「Cesar Searches / Evidence Found Calcium Deficiency」「Floor Collapse / Hate That Mouse」「Brotherly Betrayal / I Hate You」「Return to Sender / Mouse on Podium」「There He Is!」は、抑制されたサスペンス音楽。「Charles Lyle LaRue」「Silent Movie」は、リリカルで優雅なワルツ。「All Thru the House / Setting the Trap / Clang!」「Mouse」「Catzilla Emerges / Ebony and Ivory」「Cat Trap / Roach Mobile」「Sandwich to Go / Ernie Settles In / Ouch!」は、メインの主題を織り込んだ躍動的なサスペンス音楽。「Cheese Wheel」は、躍動的なサスペンス調から後半口笛をフィーチャーした明るくライトなタッチの主題、メインの主題へ。「Nail Gun」は、メインの主題を含むダイナミックなサスペンスアクション音楽。「Mousetrap Minefield」「Loose Thread」は、ややコミカルなタッチの曲。「Cherry Catapult / Cherry Spin」「Lars Au Natural / Caesar's Big Drag」は、メインの主題を織り込んだ躍動的なサスペンス調から後半ダイナミックなアクション音楽へ。「City Pound / Catzilla」は、重厚でダークなタッチの曲。「Ernie Finds Contract」「You're the Intruder」は、ミリタリスティックなマーチ調の曲。「Shotgun Chase」は、ダークなマーチ調の曲。「Insufficient Postage」は、ライトなピアノ・ジャズ。「Flaming Doo」「Water Pressure」は、メインの主題を含むダイナミックなアクション音楽。「LaRue Ruins / Sad Drive / Factory Brothers」は、ジェントルでリリカルな主題からライトなジャズへ。「String Cheese」は、メインの主題を含む明るく快活で大らかなタッチの曲。「End Credits」は、メインの主題から躍動的なタッチ、サックスをフィーチャーしたジェントルな主題へと展開するエンドクレジット。

この手のスラプスティック・コメディの音楽を得意とするアラン・シルヴェストリによる職人的なスコアで、96人編成のオーケストラによる演奏。
(2023年10月)

Alan Silvestri

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