(未公開)ALLELUJAH

作曲・指揮:ジョージ・フェントン
Composed and Conducted by GEORGE FENTON

(スペインQuartet Records / QR513)

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2022年製作のイギリス映画。監督は「アイリス」(2001)「あるスキャンダルの覚え書き」(2006)「(TV)ホロウ・クラウン/嘆きの王冠」(2012)「(TV)ドレッサー」(2015)「(TV)アンソニー・ホプキンスのリア王」(2018)等のリチャード・エアー(1943〜)。出演はジェニファー・ソーンダース、バリー・ギル、デヴィッド・ブラッドリー、ラッセル・トーヴィ、デレク・ジャコビ、ジュディ・デンチ、ロレイン・アシュボーン、ルイス・アシュボーン・サーキス、ヴィンセント・フランクリン、ジェラード・ホラン、ジュリア・マッケンジー、ジェシー・アケル、ジェシカ・バグロウ、ポール・バターワース、ダレン・チャーマン他。「英国万歳!」(1994)「ミス・シェパードをお手本に」(2015)等のアラン・ベネット(1934〜)の戯曲を基にハイディ・トーマスが脚本を執筆。撮影はベン・スミザード。

西ヨークシャーのウエイクフィールドにある高齢者向けのベツレヘム病院は、閉鎖の危機に瀕していた。病院のスタッフにはヴァレンタイン医師(ギル)や、看護師長のシスター・アルマ・ギルピン(ソーンダース)がおり、アルマの病院への貢献を讃えるため、コンサートと記念メダルの授与式が企画されていた。地元テレビ局のドキュメンタリー番組のスタッフが、病院を閉鎖から救おうとするスタッフや患者たちの活動を記録するために招待された。一方、病院の閉鎖を提案した保健医療相のコンサルタントであるコリン・コールマン(トーヴィ)は、入院中の父ジョー(ブラッドリー)の見舞いに病院を訪れた。ある日、病弱なモリーという女性が入院してきて、アルマに看病されるが、翌朝彼女は亡くなっていた……。

音楽は「(未公開)STAGE BEAUTY」(2004)でもリチャード・エアー監督と組んでいるイギリスの作曲家ジョージ・フェントン(1950〜)。「Allelujah Front Title」は、ジェントルなピアノ・ソロによるイントロからコーラスを加えたリリカルな主題、後半ややメランコリックなタッチへと展開するメインタイトル。「The Drugs Round」は、ストリングスによる静かにドラマティックな主題からピアノとコーラスによるメインの主題へ。「Gilpin's Story」は、ジェントルなピアノ・ソロからメランコリックなストリングスへ展開。「We Care」「The Station」「Marginalia」「Valentine」「Feeding the Ducks」は、メランコリックかつドラマティックなタッチの曲。「The Beth」は、ピアノによる静かにリリカルな曲。「Yes George」は、ピアノとストリングスによるジェントルな曲。「The Ring」は、クラリネット、ストリングス、ピアノにコーラスを加えたドラマティックな曲。「Trouble Waking Mr. Coleman」「How Many Were There, Alma?」は、不吉なタッチの曲。「The Hill」「Colin and Joe」「Last Visitor」は、ピアノをフィーチャーした静かにドラマティックな曲。「Allelujah End Credits」は、メインの主題のリプライズによるエンドクレジット。「Verdi 'Come Bid Farewell to Paris (from “La Traviata”)」は、イタリアの作曲家ジュゼッペ・ヴェルディ(1813〜1901)作曲の歌劇『椿姫』からの引用で、アン・ドゥ・ルネとベンジャミン・ヴィシャル・サパによる演奏。

全体にメランコリックなトーンの、繊細でインティメートなタッチスコア。オーケストレーションはジェフリー・アレクサンダー。コーラスはベン・パリー指揮のロンドン・ヴォイシーズ。
(2023年6月)

George Fenton

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