(未公開)L'HOMME AUX YEUX D'ARGENT
(未公開)パリの女教師/追いつめられて COURS PRIVÉ
(未公開)UNE ÉTRANGE AFFAIRE
(未公開)QUE LES GROS SALAIRES LÈVENT LE DOIGT!

作曲:フィリップ・サルド
Composed by PHILIPPE SARDE

(仏Music Box Records / MBR-222)

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フランスの作曲家フィリップ・サルド(1948〜)が、「帰らざる夜明け」(1971)「離愁」(1973)「個人生活」(1974)等のピエール・グラニエ=ドフェール監督(1927〜2007)による3作品と、ピエールの息子ドゥニ・グラニエ=ドフェール監督(1949〜)による1作品に作曲したスコアを集めたコンピレーション。500枚限定プレス。

「(未公開)L'HOMME AUX YEUX D'ARGENT」は、1985年製作のフランス映画(英語題名は「THE MAN WITH THE SILVER EYES」)。監督はピエール・グラニエ=ドフェール。出演はアラン・スーション、ジャン=ルイ・トランティニヤン、タニヤ・ロペール、ランベール・ウィルソン、ジュリエット・ブラク、ロベール・デランド、エロディ・エルゴー、アルレット・ジルベール、ウラディミール・イワノフスキー、アンドレ・ジュリアン、エディット・ペレ、ドミニク・ルソー、イゴール・チュチカ、ヴァレンティーヌ・モニエ他。ロベール・ロスネールの原作を基に、ピエール・グラニエ=ドフェールとギイ=パトリック・サンドゥリシンが脚本を執筆。撮影はレナート・ベルタ。地方の銀行を襲撃して1億6000万フランを強奪したティエリー・ベルゲル(スーション)は、逮捕されて刑務所に収監されたが、盗まれた金は見つからなかった。15年の刑期を終えて出所したベルゲルは、秘かに隠しておいた金を取り戻そうとするが、マイエン刑事(トランティニヤン)と、サディスティックな若い同僚の刑事(ウィルソン)が彼を追う。ベルゲルはかつての恋人で図書館員のフランシーヌ(ロペール)の助けで身を隠すが……。

フィリップ・サルド
のスコアは、Universal Franceレーベルが2000年にリリースしたコンピレーションCD「Bandes originales des films de Sylvie Verheyde」(Universal France 159 648-2)に2曲が収録されていたが、このCDでは全12曲/約35分を収録。「Retour」「Complicité」「Une autre vie」は、ギターとハーモニカをフィーチャーしたメランコリックなタッチの曲。「Errances」「Butin」は、トランペット、サックスとギターによる気だるいタッチのジャズ。「Solitudes」は、ハーモニカによるメランコリックな曲。「Projets」は、フルート、ピアノ、ハーモニカをフィーチャーしたジャズ。「Convoitises」「Le braquage」は、ダイナミックなタッチのジャズ。「Le plan」は、サックスとピアノによるクールなジャズ。「Souvenirs」は、ギターをフィーチャーしたメランコリックな曲。ラストの「Dénouement」も、クールなジャズ。

ハービー・ハンコック(ピアノ)、トゥーツ・シールマンス(ハーモニカ)、ロン・カーター(ベース)、ウェイン・ショーター(テナー/ソプラノ・サックス)、クラーク・テリー(トランペット)、ラリー・コーイェル(ギター)、トニー・ウィリアムス(ドラムス)といったジャズのトップアーティストが演奏に参加している。オーケストレーションと指揮はビリー・バイヤーズ

「(未公開)パリの女教師/追いつめられて(COURS PRIVÉ)」は、1986年製作のフランス映画(日本では劇場未公開でビデオ発売済/英語題名は「PRIVATE TUITION」)。監督はピエール・グラニエ=ドフェール。出演はエリザベート・ブールジーヌ、ミシェル・オーモン、グザヴィエ・ドリュック、シルヴィア・ゼルビブ、エマニュエル・セニエ、リュシアン・アモン、ピエール・ヴェルニエ、ロジーヌ・ロシェット、ジャック・ブーデ、アンドレ・ショーモー、ドミニク・ザルディ、ヴァリ・エシュレール、ブリューノ・アブラアム=クレメール、オリヴィエ・パジョ、ファビアン・ミルボー他。ジャン=マルク・ロベールの原作を基に、クリストファー・フランク、ピエール・グラニエ=ドフェールとジャン=マルク・ロベールが脚本を執筆。撮影はロベール・フレース。男女共学の私立学校で歴史を教える魅力的な女教師ジャンヌ・ケルン(ブールジーヌ)を主人公としたサスペンス・ドラマ。

フィリップ・サルドのスコアは、仏BMGレーベルがリリースしたサルドの作品集「PHILIPPE SARDE: ANTHOLOGIE DE MUSIQUES DE FILMS - 50 ANS DE CINEMA」(BMG 538823210)に1曲のみ収録されていたが、このCDでは全8曲/約13分を収録。「Thème Générique」は、ギター、エレクトリックギターとストリングスによるジェントルでリリカルなメインタイトル。「Cours privé」「Les baisers」は、ピアノ・ソロによるジェントルなタッチの曲。「Mort de Ketti」は、ストリングスによる繊細でジェントルな曲。「Labo photo」「Cours Ketti」「Comme un jeu」「Nouveau départ」は、エレクトリックギターにストリングス、ギター、ピアノをフィーチャーしたジェントルでリリカルな曲。エレクトリックギターの演奏はジョー・ベック。オーケストラはパリ管弦楽団、オーケストレーションと指揮はビリー・バイヤーズ

「(未公開)UNE ÉTRANGE AFFAIRE」は、1981製作のフランス映画(英語題名は「STRANGE AFFAIR」)。監督はピエール・グラニエ=ドフェール。出演はミシェル・ピッコリ、ジェラール・ランヴァン、ナタリー・バイ、ジャン=ピエール・カルフォン、ジャン=フランソワ・バルメ、ピエール・ミシャエル、マドレーヌ・シュミナ、ヴィクトル・ガリヴィエ、ドミニク・ブランシャール、アンドレ・ショーモー、ジャック・ブーデ、アリアーヌ・ラルテギー、ニコラ・ヴォジェル、ドミニク・ザルディ、ユベール・バルサン他。ジャン=マルク・ロベールの原作を基に、クリストファー・フランク、ピエール・グラニエ=ドフェールとジャン=マルク・ロベールが脚本を執筆。撮影はエティエンヌ・ベッケル。業績不振のデパートの宣伝部で働くルイ・コリーヌ(ランヴァン)は、妻ニナ(バイ)や友人たちとの日常に満足していたが、新しいボスのベルトラン・マレール(ピッコリ)が着任したことで生活が一変してしまう……。

フィリップ・サルドのスコアは、公開当時に仏General Musicレーベルからシングル盤(General Music/WEA 801012 (45))が出ていたが、このCDでは全6曲/約18分を収録。「Une étrange affaire」は、メランコリックでドラマティックな主題から中盤スリリングなタッチに展開。「Thème de Malair」「Soumission」は、ミステリアスでドラマティックかつスリリングな曲。「Séduction」は、ストリングスによる抑制されたタッチの曲。「Intrusion」「Perdition」は、アコーディオンをフィーチャーしたドラマティックなタッチの曲。アルゼンチンの楽団、クアルテート・セドロン(le Cuarteto Cedron)、ガブリエリ四重奏団(le Cuartuor Gabrielli)、パレナン四重奏団(le Cuartuor Parenin)の演奏。指揮はピーター・ナイト

「(未公開)QUE LES GROS SALAIRES LÈVENT LE DOIGT!」は、1982年製作のフランス映画(英語題名は「WILL THE HIGH SALARIED WORKERS RAISE THEIR HANDS!」)。監督はドゥニ・グラニエ=ドフェール。出演はジャン・ポワレ、ミシェル・ピッコリ、ダニエル・オートゥイユ、チェッキー・カリョ、ナディア・バランタン、フランソワ・コリン、フランソワ・ラランド、フロランス・ペルネル、ジャンヌ・ラルマン、ミシェル・ピロルジェ、マックス・メギー、クリスチャン・シャルムタン、ベルナール・マルセラン、シャンタル・ドゥルアズ、マリー・ラフォレ他。ジャン=マルク・ロベールの原作を基に、イヴ・スタヴリドとジャン=マルク・ロベールが脚本を執筆。撮影はエティエンヌ・ベッケル。大手保険会社の経営者であるアンドレ・ジューフ(ポワレ)は、週末に自社の高給社員たちをパリ郊外の邸宅に招待し、パーティを催すが、その目的は彼らに解雇の通告をすることだった……。

フィリップ・サルドのスコアは、公開当時の1982年に仏General MusicレーベルからサントラLP(General Music 802 015)が出ていたが、このCDでは全3曲/約10分を収録。「Vento di maggio」は、イタリアのロック歌手ドルーピ(ジャンピエロ・アネッリ/1947〜)のヴォーカルによる主題歌(作曲:フィリップ・サルド、作詞:ジャンピエロ・アネッリ)。「Que les gros salaires lèvent le doigt!」「Que les gros salaires lèvent le doigt! (Maquette)」は、アコーディナ(吹いて弾くアコーディオン)をフィーチャーしたジェントルでリリカルな曲。アコーディナはローラン・ロマネッリ、ベースはヤニック・トップ、独唱はダッド・ウィルソン、ソプラノ・サックスはジョルジョ・バイオコの演奏。
(2023年6月)

Philippe Sarde

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