(未公開)監獄都市ブラッド WELCOME TO BLOOD CITY
(未公開/TV)THE SANDBAGGERS

作曲・指揮:ロイ・バッド
Composed and Conducted by ROY BUDD

(ドイツCaldera Records / C6049)

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イギリスの作曲家ロイ・バッド(1947〜1993)が1970年代に手がけた2作品のスコアを初収録したCD。

「(未公開)監獄都市ブラッド(WELCOME TO BLOOD CITY)」は、1977年製作のイギリス=カナダ合作映画(日本では劇場未公開でビデオ発売済)。監督は「ドラキュラ血の味」(1970)「(未公開)ハンズ・オブ・ザ・リッパー」(1971)「(未公開)デビル・ナイト」(1972)「(TV)新シャーロック・ホームズ/ホームズとプリマドンナ」(1990)等のピーター・サスディ(1935〜)。出演はジャック・パランス、ケア・デュリア、サマンサ・エッガー、バリー・モース、ホリス・マクラレン、クリス・ウィギンス、ヘンリー・レイマー、アラン・ロイヤル、ジョン・エヴァンス、ケン・ジェームズ、ラリー・レイノルズ、ジャック・クレリー、アラン・クロフット、ゲイリー・ライニキ、チャック・シャマタ他。脚本はスティーヴン・シュネックとマイケル・ウィンダー。撮影はレジナルド・H・モリス。

マイク・ルイス(デュリア)がビーチで目を覚ますと、周りには1人の女性(エッガー)を含む見知らぬ人々がおり、彼らは皆、記憶を失っていた。彼らの胸のポケットには、自分が殺した人の数が記されたカードが入っていた。あてもなく森の中をさまよっていた彼らは、小さい河に行き当たる。すると、拳銃を構えた2人の男が突然現れ、1人を射殺し、女性を凌辱した。マイクたちは保安官のフレンドランダー(パランス)に救われ、彼が統治するブラッド・シティという町に連れていかれる。西部劇に登場するようなその町では、殺人が合法化されていた。町の住民はガンマンばかりで、そこでは殺した人間の数により地位や権力が獲得できるルールになっていたが、そこで日常的に行われる殺人行為は、政府の研究機関によってモニタリングされていた……。マイケル・クライトン監督・脚本による「ウエストワールド」(1973)と似た設定のSFサスペンスで、同作で不気味なガンマン役だったユル・ブリンナーと同様、ジャック・パランスが「シェーン」で演じた黒ずくめの殺し屋を想起させるガンマン役で登場する。

ロイ・バッドのスコアは、冒頭の「Main Titles」がフルートをフィーチャーしたややメランコリックなタッチのメインの主題。この主題は「Blood City (unused)」「The Day Breaks」「Katherine and Lewis' Argument」「Friendlander Is Upset」等でも登場する。「Realisation」は、抑制されたタッチからサスペンス調へ展開。「Ride into Town」は、躍動的なサスペンス音楽。「Enter Friendlander」「Fair Fight」「Shootout」「Over My Dead Body」「Get Out」「Friendlander and Flint Have a Disagreement」「Realisation (alternate)」は、抑制されたタッチのサスペンス音楽。「Run For Your Life」「The Hunted」「Pinned Down」は、バッドらしいダイナミックなサスペンスアクション音楽。「Lewis and Katherine (unused)」は、ジェントルでリリカルなタッチの曲。「End Credits」は、フルートをフィーチャーしたメインの主題によるエンドクレジット。これまで紛失したと考えられていた本スコアのテープが、北ヨークシャーにある倉庫で発見されたことから、今回の初リリースとなったもの。

「(未公開/TV)THE SANDBAGGERS」は、1978〜1980製作のイギリスのテレビシリーズ。監督は「(TV)シャーロック・ホームズの冒険」(1984)等のアラン・グリント「(TV)フロスト警部」(1992〜2010)等のデヴィッド・レイノルズ「(TV)ウエスト・オブ・パラダイス/楽園の黄金」(1984)等のデヴィッド・カンリフマイケル・ファーガソンピーター・クレギーンデレク・ベネットが各話を担当。出演はロイ・マースデン、レイ・ロネン、ジェローム・ウィリス、ボブ・シャーマン、アラン・マクノータン、マイケル・キャッシュマン、リチャード・ヴァーノン、エリザベス・ベネット、テリー・ピアソン、デニス・バージェス、スー・ホールダーネス、ドナルド・チャーチル、ジョン・スタイナー、ウォルフ・カーラー、ロザリー・ウィリアムス他。脚本はイアン・マッキントッシュ、ギドリー・ホィーラーとアーデン・ウィンチが各話を執筆。ニール・バーンサイド(マースデン)率いる英国情報部の特殊部隊“サンドバッガーズ”の活躍を描くシリーズで、情報部員の活動を描いたドラマとしては最もリアリスティックで真実に近い作品と評価されていた。本シリーズのクリエーターのイアン・マッキントッシュ(1940〜1979)は、スコットランド海軍少佐で、サスペンス小説の作者でもあったが、1979年7月7日夜に英国航空のパイロットが操縦する小型機でアラスカ湾上空を飛行中に行方不明となり、死亡したと見なされた。クリエーターの突然の謎の死により、彼以外に本シリーズの脚本を執筆できる者はいないと判断したプロデューサーは、シリーズを途中でキャンセルした。

ロイ・バッドのスコアは、全体で4分にも満たないボーナス扱いとなっており、1分程度の4曲と、10秒程度の短いバンパー(シーンの切り替わり等で流れる短いフレーズ)3曲の計7曲を収録。「Main Title」は、リズミックでストイックなタッチのメインタイトルで、マカロニウエスタン風なのがかっこいい。「Theme alt. #1」は、メランコリックなタッチの曲。「Theme alt. #2」は、メインの主題のバリエーション。「End Titles」は、サックスをフィーチャーしたメインの主題によるエンドタイトル。「Bumper #1」「Bumper #2」「Bumper #3」は、バンパー曲だが、実際のドラマでは使われなかった。

ロイ・バッドは1993年に46歳の若さで惜しくも病死しているため、これまでにリリースされたサントラ・アルバムは多くないが、Calderaレーベルが未亡人シルヴィア・バッドの協力を得て彼の未発表スコアを断続的にアルバム化していることは、ファンとしては喜ばしい。
(2023年5月)

Roy Budd

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