キング・オブ・デストロイヤー/コナンPART2 CONAN THE DESTROYER

作曲・指揮:ベーシル・ポールドゥーリス
Composed and Conducted by BASIL POLEDOURIS

演奏:ウニオーネ・ムジチスティ・ディ・ローマ
Performed by the Orchestra "UNIONE MUSICISTI DI ROMA"

(米Intrada / Intrada Special Collection Volume 477)

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1984年製作のアメリカ=メキシコ合作映画。監督は「海底二万哩」(1954)「バイキング」(1957)「ミクロの決死圏」(1966)「トラ・トラ・トラ!」(1970)「ラスト・ラン」(1971)「ソイレント・グリーン」(1973)等のリチャード・フライシャー(1916〜2006)。出演はアーノルド・シュワルツェネッガー、グレイス・ジョーンズ、ウィルト・チェンバレン、マコ、トレイシー・ウォルター、サラ・ダグラス、オリヴィア・ダボ、パット・ローチ、ジェフ・コーリイ、スヴェン=オレ・ソーセン、ブルース・フライシャー、ファーディ・メイン、アンドレ・ザ・ジャイアント、エンジェル・アシュリー、マット・コナー他。ロバート・E・ハワードの創造したキャラクターと、ロイ・トーマスとゲイリー・コンウェイの原案を基にスタンリー・マンが脚本を執筆。撮影は「アフリカの女王」(1951)「戦争と平和」(1956)「バイキング」(1957)「ナイル殺人事件」(1978)「ランボー/怒りの脱出」(1985)等のジャック・カーディフ(1914〜2009)。「コナン・ザ・グレート(CONAN THE BARBARIAN)」(1982/監督:ジョン・ミリアス、出演:アーノルド・シュワルツェネッガー、ジェームズ・アール・ジョーンズ、マックス・フォン・シドー)に次ぐシリーズ第2弾。

有史以前、シンメリア生まれの冒険児コナン(シュワルツェネッガー)は、宝石泥棒マラック(ウォルター)と一緒にいるところを捕えられ、タラミス女王(ダグラス)の前に連れて行かれる。女王は、姪のジェンナ姫(ダボ)を伴い、砂漠の城に納められているダゴスの角を持ちかえってほしいとコナンに持ちかける。ジェンナだけがそこへの道を知っており、ダゴスの角に触れられるという。女王がコナンの恋人だったヴァレリア(前作でサンダール・バーグマンが演じた)を甦らせると約束したので、コナンは承知した。女王は護衛として腹心のボンバータ(チェンバレン)をつけ、帰途にコナンを殺すように命じる。旅の途中で、魔術師アキロ(マコ)、棒使いの戦士ズーラ(ジョーンズ)が仲間に加わり、コナンたちは湖の中にある氷の城にたどり着くが……。製作費は約1800万ドル。全世界興行収入は約3104万ドル。「E.T.」(1982)の大ヒットにより、ユニヴァーサルがこの続編をファミリー向けの作品にするとの方向性を取った結果、全体にシリアスさに欠ける安っぽい作りの映画になってしまったが、興行的には成功した。

音楽は前作「コナン・ザ・グレート」(1982)に引き続きベーシル・ポールドゥリース(1945〜2006)が作曲。このスコアは公開当時の1984年に米MCAレーベルが全13曲/約33分収録のサントラLP(MCA Records MCA-6135)を出しており、1992年に米Varese Sarabandeレーベルが同内容のCD(Varese Sarabande VSD 5392)を出しているが、Intradaレーベルが2022年12月にリリースしたこのCDは2枚組で全43曲/約107分半収録のエクスパンデッド盤。限定プレス。CD1枚目に初収録となるオリジナル・スコアとエクストラ、2枚目にMCA盤の13曲を収録。

CD1枚目の冒頭「Drum Prelude No. 1 / Main Title (Revised)」は、ティンパニによるイントロからダイナミックでヒロイックなメインの主題へと展開するメインタイトル。前作と同じ主題で、演奏もイタリアの名門オーケストラを起用しているが、映画自体の“ファミリー・ピクチャー”的なタッチに合わせたのか、スコア全体的に前作より軽めな印象の演奏となっている。「Net Fight」「Cutlery Interruptus」は、メインの主題を織り込んだパーカッシヴなアクション音楽。「Valeria Is Hot」「Dream Quest」は、フルートをフィーチャーしたジェントルでリリカルな曲。「Shadizar」は、ヒロイックなマーチ調の曲。「Akiro-Cavemen Fight / Elite Guard Riders」「Zula-Bombaata Fight」「Forest Ride / Eating the Elite」は、ダイナミックでパーカッシヴなアクション音楽。「Town Source」は、快活でパーカッシヴなタッチの町でのソース曲。「Bird-Dogging the Princess」は、ミステリアスなタッチの曲。「Boating It」「Pit Band」は、静かにジェントルな曲。「Ice Palace」は、フルートをフィーチャーしたダークなタッチの曲。「Chamber of Mirrors」は、ミステリアスなタッチから躍動的な主題、ヒロイックな主題へ。「Princess Takes Jewel」「Dragon's Head」「Conan the Destroyer」は、静かにドラマティックな曲。「Crypt Rocks」は、荘厳なタッチの曲。「Door Lift」は、パーカッシヴでドラマティックな曲。「Akiro's Magic」「Dagoth's Death」は、メインの主題のバリエーション。「Dagoth Ceremony / Impaling the Grand Vizier」は、快活なタッチの舞踏音楽風の曲。「Farewell, Valeria」は、ドラマティックなタッチの曲。「Drum Prelude No. 2 / End Credits」は、ティンパニによるイントロからメインの主題のリプライズへと展開するエンドクレジット。最後にエクストラとして「Main Title (Original)」「Net Fight (With Sweetener)」「Chamber of Mirrors (With Synth Sweetener)」「Eating the Elite (Alternate Mix)」「Akiro's Magic (Alternate Mix)」の代替バージョンを収録。
オーケストレーションはジャック・スモーリー、グレッグ・マクリッチーとスコット・スモーリー。
(2023年4月)

Basil Poledouris

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