ヴァン・ダム IN コヨーテ INFERNO

作曲:ビル・コンティ
Composed by BILL CONTI

(米Dragon's Domain Records / DDR660)

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1999年製作のアメリカ=フランス合作映画(日本公開は2000年3月/当初タイトルは「COYOTE MOON」「DESERT HEAT」との別タイトルあり)。監督は「ロッキー」(1976)「ふたりでスロー・ダンスを」(1978)「ネイバーズ」(1981)「ベスト・キッド」(1984)「ロッキー5/最後のドラマ」(1990)「パワー・オブ・ワン」(1992)「(未公開)エイト・セカンズ/伝説の8秒」(1994)等のジョン・G・アヴィルドセン(1935〜2017)。出演はジャン=クロード・ヴァン・ダム、パット・モリタ、ダニー・トレホ、ガブリエル・フィッツパトリック、ラリー・ドレイク、ヴィンセント・スキャヴェリ、デヴィッド・“シャーク”・フラリック、サイラス・ウィアー・ミッチェル、ジョナサン・アヴィルドセン、ジェイミー・プレスリー、ビル・アーウィン、フォード・レイニー、ケヴィン・ウエスト、プリシラ・ポインター、ポール・コスロ他。脚本はトム・オルーク。撮影はロス・A・メール。かつては凄腕の兵士だったが今は傷つき生きる望みを失っていたエディ・ロマックス(ヴァン・ダム)は、親友ジョニー(トレホ)に会うために一人旅をしている途中、悪党ホーガン3兄弟(フラリック、ミッチェル、アヴィルドセン)に襲撃され、瀕死の重傷を負う。近隣の町で彼らが悪の限りを尽くしていることを知ったエディは、戦士としての闘争本能を呼び覚まし、単身立ち向かっていくのだった……。黒澤明監督の「用心棒」(1961)がストーリーのベースになっている。ダニー・トレホ演じるネイティヴ・アメリカンのジョニーが主人公の親友の幽霊であるとの設定が気に入らなかったヴァン・ダム(本作のプロデューサーでもある)が、その要素を削除するために映画を大幅に再編集させたので、ジョン・G・アヴィルドセン監督はポスター等への自身の名前の表記を拒否し、監督名は“ダニー・マルルーン”としてクレジットされている(映画のエンドクレジットにはアヴィルドセンの名前が出る)。製作費は約1500万ドル。

音楽は「ロッキー」(1976)「ふたりでスロー・ダンスを」(1978)「(未公開)ジェネシスを追え」(1980)「ネイバーズ」(1981)「ベスト・キッド」シリーズ(1984〜89)「(未公開)ピーター・フォークの恋する大泥棒」(1986)「この愛に生きて」(1988)「(未公開)ワイルド・チェンジ」(1989)「ロッキー5/最後のドラマ」(1990)「(未公開)エイト・セカンズ/伝説の8秒」(1994)等、ジョン・G・アヴィルドセン監督の主要な作品を手がけているビル・コンティ(1942〜)で、この「ヴァン・ダム IN コヨーテ」は彼らの最後のコラボレーション作品。「Coyote Moon / Eddie's Dream and Desert Heat」は、幻想的なイントロからリズミックでストイックなタッチのメインの主題へ展開。「Eddie Lives / Airplane Lands」「We Have Company」「Showdown at Sunrise / Eddie Kicks Ass」は、リズミックなサスペンス音楽。「Getting the Bullet and Cafe Rednecks / Redneck Trouble」は、静かにメランコリックな主題からストイックな主題へ。「Eddie Wakes Up / I Remember Killing Too...」は、エスニックなタッチの曲。「Good Morning and Trek Into Town」は、幻想的な主題からギターをフィーチャーした軽快な主題、幻想的な主題、ストイックでヒロイックな主題へと展開。「The End of Lester and Leon」は、ストイックなタッチの曲。「Eddie and Rhonda's Love Theme」は、ジェントルでリリカルなエディとロンダ(フィッツパトリック)のラヴ・テーマ。「Jubai and Eddie / “Something Better than a .45”」は、カントリー調の軽快な曲。「Lester and Leon's Final Resting Place」「Sweet Dreams」は、明るく軽快な曲。「Roadhouse Rumble」は、エレクトリック・ギター(演奏はマーク・ボニーラ)をフィーチャーしたロック調のサスペンス音楽。「“Why Didn't You Kill Him?”」「Check It Out」は、パーカッシヴで不気味なサスペンス音楽。「Night Shootout」は、ヒロイックなアクション音楽。「Johnny Dies and Rhonda Warns Eddie」は、幻想的なタッチからストイックな主題、ジェントルな主題へ。「Town Firefight」「Eddie Gets His Hat Back / Stringer (Unused)」は、リズミックなアクション音楽(映画では未使用)。「A Happy Ending」は、ギターをフィーチャーしたジェントルでリリカルな曲。シンセサイザー・ベースのスコアだが、サスペンス調の部分より静かにジェントルなタッチの曲が印象的。
このスコアの初リリースで、500枚限定プレス。
(2019年2月)

Bill Conti

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