世界が燃えつきる日 DAMNATION ALLEY
作曲：ジェリー・ゴールドスミス
Composed by JERRY GOLDSMITH
指揮：ライオネル・ニューマン
Conducted by LIONEL NEWMAN
（米Intrada / Intrada Special Collection Volume
396）
1977年製作のアメリカ映画（英語別題名は「SURVIVAL
RUN」）。監督は「動く標的」(1966)「いれずみの男」(1968)「（TV）真説フランケンシュタイン／北極に消えた怪奇人間!」(1973)「エアポート'75」(1974)「ミッドウェイ」(1976)等のジャック・スマイト（1925〜2003）。出演はジャン＝マイケル・ヴィンセント、ジョージ・ペパード、ドミニク・サンダ、ポール・ウィンフィールド、ジャッキー・アール・ヘイリー、キップ・ニーヴン、ロバート・ドナー、シーモン・グラス、トレント・ドーラン、マーク・L・テイラー、ロバート・ハックマン、エリック・コード、テレンス・ロック、マーシア・ホリー、マーレイ・ハミルトン他。『わが名はコンラッド』『光の王』等のアメリカのSF作家ロジャー・ゼラズニイ（1937〜1995）の原作『地獄のハイウェイ』を基に「何がジェーンに起ったか?」(1962)「飛べ!フェニックス」(1965)「特攻大作戦」(1967)等のルーカス・ヘラーと「ラスト・ラン／殺しの一匹狼」(1971)「バイオレント・サタデー」(1983)等のアラン・シャープが脚本を執筆。撮影は「小さな巨人」(1970)「追憶」(1973)「弾丸を噛め」(1975)等のハリー・ストラドリング・Jr。核戦争により廃墟と化した世界で、米カリフォルニア州の空軍基地にとり残されたユージン・デントン少佐（ペパード）たち少人数の生存者たちは、オルバニーからの信号を受信する。デントンとタナー（ヴィンセント）、キーガン（ウィンフィールド）、ペリー（ニーヴン）の4人は、2台の装甲車“ランドマスター”に分乗して、他の生存者を探すため荒野へと旅立つ……。（なぜか人間には何の影響も与えない）放射能により巨大化したサソリや人喰いゴキブリが主人公たちを襲う。フォックスが1977年に「スター・ウォーズ
エピソードIV／新たなる希望」と並行して製作したSF映画だが、企画内容、VFXのクオリティ、そして興行結果のどれを取っても比較されるのが気の毒になる作品。
音楽は「いれずみの男」(1968)でもジャック・スマイト監督と組んでいるジェリー・ゴールドスミス（1930〜2004）。これまで部分的にしかリリースされていなかったスコアの完全な形での初リリース。「Main
Titles」は、虚ろな雰囲気の不吉なサスペンス調によるメインタイトル。「A Different World」「A Storm
Brewing」は、抑制された不気味なタッチのサスペンス音楽。「Valley of Death」「The Voyage
Begins」「Signals」「A New Passenger」「The Wrong Order」は、ゴールドスミスの個性がよく出たダイナミックなサスペンスアクション音楽。「The
Landmasters」は、ダークなタッチのサスペンス音楽。「The Desert」は、ドラマティックなタッチ。「Don't
Bug Me」は、不気味な主題からダイナミックなサスペンスアクション音楽へ。「Refueling Stop」は、ヒロイックで躍動的な曲。「A
New Day」は、静かなイントロからジェントルな主題へ。ラストの「End Title」は、ジェントルでリリカルな主題によるエンドタイトル。最後にエクストラとして代替テイク2曲「The
Voyage Begins (Alternate)」「A New Day (Alternate Take)」を収録。
金管楽器と木管楽器を補強し、意図的にヴァイオリンを除いた90人編成のオーケストラにシンセサイザーを加えた演奏。フォックスで見つかったオーケストラ部分のコンプリート・セッション・マスターをレストレーションして新たにステレオ・ミックスしたものに、ゴールドスミスによるスケッチを基にリー・フィリップスがシンセサイザー部分（オリジナル音源は紛失）を忠実に演奏し直したものを加えてスコア全体を再現。合計34分弱の短いスコアで、音質も良くないが、ゴールドスミスのフィルモグラフィー中で長らく欠落していた貴重なサントラ盤。限定プレス。
（2018年2月）
Jerry Goldsmith
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