(未公開)LE SAUT DE L'ANGE
(未公開)LES ANGES

作曲・指揮:フランソワ・ド・ルーベ
Composed and Conducted by FRANCOIS DE ROUBAIX

(スペインQuartet Records / QR254)

   ★AMAZON.CO.JPで購入 

 ★TOWER.JPで購入


「冒険者たち」(1967)「サムライ」(1967)「さらば友よ」(1968)「ラムの大通り」(1971)「ラ・スクムーン」(1972)「追想」(1975)等のフランスの名作曲家フランソワ・ド・ルーベ(1939〜1975)が1970年代に手がけた2作品のスコア。

「(未公開)LE SAUT DE L'ANGE」は、1971年製作のフランス=イタリア合作映画(英語題名は「ANGEL'S LEAP」)。監督は「汚れた刑事」(1970)「(未公開)影の暗殺者/フランスの陰謀」(1972)「(未公開)男と女のアヴァンチュール/紫のタクシー」(1977)「(未公開)遅れてきた死神」(1981)「(未公開)狼獣たちの熱い日」(1983)等のイヴ・ボワッセ(1939〜)。出演はジャン・ヤンヌ、センタ・バーガー、スターリング・ヘイドン、レイモン・ペルグラン、ゴードン・ミッチェル、クロード・セルヴァル、ダニエル・イヴェルネル、ジャンカルロ・スブラジア、ミシェル・ロシェ、ソフィー・ブーデ、カルロ・ネル、マルセル・ルポヴィッチ、アンドレ・ルーイエ、ジャン・ブーショー、ロジェ・ルモン他。ベルナール=ポール・ラリエの原作を基にイヴ・ボワッセ、リチャード・ウィンクラーとクロード・ヴェイヨが脚本を執筆。撮影は「冒険者たち」(1967)「すぎ去りし日の…」(1970)「夕なぎ」(1972)「愛と哀しみのボレロ」(1981)等のジャン・ボフェティ。マルセイユのコルシカ・マフィア、オルシーニ家とフォレスティエ(スブラジア)率いる新興勢力との政治闘争が勃発。フォレスティエに雇われた殺し屋のディ・フスコ(ミッチェル)がオルシーニ家のメンバーを次々と暗殺していく過程で少女が巻き添えになって殺される。少女の父で元傭兵のルイ・オルシーニ(ヤンヌ)は復讐を誓うが……。

フランソワ・ド・ルーベのスコアは、「Le saut de l'ange (Thème principal)」がアコーディオンをフィーチャーしたメランコリックで憂いを帯びたタッチのメインの主題。「Drive In (Version 1)」は、サスペンスフルでダイナミックな曲。「Le saut de l'ange (Retour à Marseille)」は、不気味なサスペンス音楽。「Le saut de l'ange (Louis Orsini)」は、メランコリックなピアノ曲。「Le saut de l'ange (Cobra)」は、パーカッションをフィーチャーした不気味なサスペンス音楽から後半メインの主題へ。「Le saut de l'ange (Pour Senta)」は、ダークなサスペンス音楽。「Le saut de l'ange (Version 2)」「Le saut de l'ange (Version 3, Finale)」は、メインの主題のリプライズ。「Le saut de l'ange (Valse du souvenir)」は、アコーディオンによるメランコリックな曲。「Drive In (Version 2)」は、サスペンス音楽から後半ジェントルな主題へ展開。

「(未公開)LES ANGES」は、1973年製作のフランス映画(英語題名は「THE ANGELS」)。監督・脚本はジョルジュ・フルーリー名義で「ブルーSEX'78/歓ぶ女」(1976)「ハードハッスル」(1978)といった成人映画を手がけているジャン・デヴィル(1931〜)。出演はブリューノ・プラダル、ディディエ・オードゥパン、コリンヌ・ル・プーラン、マドレーヌ・オズレイ、フランソワーズ・プレヴォ、ミシェル・ブーケ、ソフィー・ブーデ、ルイ・ヴェーユ、ジョゼ・ルイ・ドゥ・ヴィラロンガ、クリスチャン・シュヴルーズ、ジャン・マルティネリ、ヴィッキー・メッシカ、ベルナール・ムッソン、ジャン=フランソワ・デュパ、ポーリーヌ・ラリュー他。撮影は「ヘンリー・ミラーの北回帰線」(1970)「小さな約束」(1972)等のアラン・ドゥローブ。道徳心のかけらもない裕福な若者2人――ジャン=ポール(プラダル)とクリスチャン(オードゥパン)――が暴力と愛欲に溺れて破滅していく様を描くドラマ。

フランソワ・ド・ルーベのスコアは、2曲のみがボーナストラックとして収録されている。「Les Anges」は、メランコリックでドラマティックな主題からサスペンスフルでスリリングな主題へ。「Larry」は、ジャズベースのややアブストラクトなサスペンス音楽。

どの曲にもフランソワ・ド・ルーベの独特の個性が強く表れている。「(未公開)LE SAUT DE L'ANGE」は、公開当時2曲だけを収録したシングル盤が仏Epic Recordsより出ていたが、これはコンプリートスコアの初リリースで、500枚限定プレス。
(2018年1月)

François de Roubaix

Soundtrack Reviewに戻る


Copyright (C) 2018  Hitoshi Sakagami.  All Rights Reserved.