グレートレース THE GREAT RACE

作曲・指揮:ヘンリー・マンシーニ
Composed and Conducted by HENRY MANCINI

(米La-La Land Records / LLLCD 1372)

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1965年製作のアメリカ映画。監督は「ティファニーで朝食を」(1961)「酒とバラの日々」(1962)「ピンクの豹」(1963)「暁の出撃」(1970)「ビクター/ビクトリア」(1982)「スウィッチ/素敵な彼女?」(1991)等のブレイク・エドワーズ(1922〜2010)。出演はジャック・レモン、トニー・カーティス、ナタリー・ウッド、ピーター・フォーク、キーナン・ウィン、アーサー・オコンネル、ヴィヴィアン・ヴァンス、ドロシー・プロヴァイン、ラリー・ストーチ、ロス・マーティン、ジョージ・マクレディ、マーヴィン・カプラン、ハル・スミス、デンヴァー・パイル、ウィリアム・ブライアント他。「大アマゾンの半魚人」(1954)「(未公開)ガリバーの大冒険」(1960)「ブルベイカー」(1980)等のアーサー・ロスとブレイク・エドワーズの原案を基にアーサー・ロスが脚本を執筆。撮影はラッセル・ハーラン。互いに愛車のチューンナップに情熱を注ぎ、レースにしのぎを削る宿命のライバル、“偉大なる”レスリー(カーティス)とフェイト教授(レモン)は、ニューヨーク=パリ間の自動車大レースに参加することになる。ある新聞の取材記者を買って出た男まさりのマギー・デュボワ(ウッド)もレスリーの車に乗り込む。いつも苦汁を舐めているフェイトは、細工をしてレスリー以外の参加者を吹っ飛ばし、先を急ぐが……。古き良き時代を感じさせる豪快なスラプスティック・コメディで、後にハンナ・バーベラ・プロダクション制作のテレビアニメ「チキチキマシン猛レース」(1968〜1969)の原型となった。

音楽は「ティファニーで朝食を」(1961)「追跡」(1962)「酒とバラの日々」(1962)「ピンクパンサー」シリーズブレイク・エドワーズ監督作品に欠かせない名作曲家ヘンリー・マンシーニ(1924〜1994)で、この「グレートレース」でも彼のスコアが映画全体の魅力の大きな要素となっている。このLa-La Land RecordsのリリースはCD3枚組となっており、1〜2枚目にこれまで未発表だったオリジナル音源、3枚目に公開当時に出たサントラ盤と同じ再録音トラックのリマスターを収録。

CD1枚目の冒頭「Overture」は、ファンファーレに続いて明るく陽気なビッグバンドジャズによる「He Shouldn't-A, Hadn't-A, Oughtn't-A Swang On Me」の主題、コーラスによる主題歌「The Sweetheart Tree」、明るく快活な「グレートレース・マーチ」の主題がメドレーで展開する序曲。「Main Title (The Sweetheart Tree)」は、ピアノラ(自動ピアノ)の演奏による主題歌をフィーチャーしたメインタイトルで、マンシーニらしいチャーミングでノスタルジックな名曲。「Fanfare No.I / The Great Race March」は、ファンファーレから豪快な「グレートレース・マーチ」へ展開。「Enter Leslie」は、サスペンスフルなレスリー登場シーンの曲。「Enter Professor Fate」は、ファンファーレ、スネアドラムに続きコミカルでとぼけたタッチのフェイト教授の主題へと展開。このフェイトの主題は彼が登場する「Fate Again」「Exposed! / Holy Cow」「Fate Is a Fink」「Pigeon / Stranded」「Smoke Screen」等で繰り返される。「Up Your Exhaust Pipe」は、マーチの主題からサスペンス音楽へ。「Enter Maggie / Fickle Fate」は、リリカルなマギーの主題からフェイトの主題へ。「The Desert Song」は、シグマンド・ロンバーグ(1887〜1951)作曲のオペレッタ『砂漠の歌』(1926)のドラマティックでロマンティックな歌曲。「New York to Paris (The Great Race March)」は、豪快な「グレートレース・マーチ」。「Fanfare (Times Square) / They're Off」は、明るく軽快な曲。「It Looks Like a Big Night Tonight」は、酒場のシーンで流れるエグバート・ヴァン・アルスタイン、ハリー・ウィリアムス作曲の陽気なダンシング・コーラス曲。「He Shouldn't-A, Hadn't-A, Oughtn't-A Swang On Me」は、ドロシー・プロヴァインのヴォーカルによる陽気な挿入歌(作詞はジョニー・マーサー)。「Texas Jack」「That Finishes Them! / Off to Grommet」は、サスペンス音楽。「Rise and Shine」は、ジェントルでリリカルな曲。

CD2枚目の冒頭「Entr'Acte (The Sweetheart Tree) / Red Sky」は、コーラスによる主題歌で映画のインターミッションに流れる間奏曲。「Another Foot」「Captured! / Under Arrest」も、主題歌をフィーチャーした曲。「Dance Medley」は、宮廷のシーンでのワルツのメドレーで、マンシーニのオリジナルによるワルツ曲から、ヨハン・シュトラウス二世作曲の『美しく青きドナウ』『ウィーンの森の物語』、アントン・ウォーラースタイン作曲の『ジェニー・リンド・ポルカ』へと展開。「Whispering / Good Night, Sweet Prince」は、ジェントルでリリカルな曲。「It's a Secret」「Heir to the Throne」「Dirty Little Rat」「Strict Orders」「Dey Dere」「En Garde Again」等は、サスペンス音楽。「Coronation」は、戴冠式の荘厳なマーチ。「Faster! / Faster Still! / Escape!」は、サスペンスアクション音楽。「Pie-in-the-Face Polka」は、豪快なパイ投げシーンでの陽気なポルカ。「The Sweetheart Tree (vocal)」は、ナタリー・ウッド(吹替はジャッキー・ウォード)が劇中で歌う主題歌(作詞はジョニー・マーサー)。「Paris」は、パリ到着シーンの陽気な曲。「Finish Line」「Paris to New York - End Title」は、「グレートレース・マーチ」の主題。「End Cast」「Exit Music」は、主題歌により締めくくる。
ノスタルジックかつカラフルなスコアで、実に楽しい。2,500枚限定プレス。
(2017年11月)

Henry Mancini

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