Ricky リッキー  RICKY

作曲・指揮:フィリップ・ロンビ
Composed and Conducted by PHILIPPE ROMBI

演奏:ベラルト交響楽団
Performed by l'Orchestre symphonique Bel Arte

(仏Music Box Records / MBR-059)

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2009年製作のフランス=イタリア合作映画(日本公開は2010年11月)。監督は「エンジェル」(2007)「(未公開)ムースの隠遁」(2009)「しあわせの雨傘」(2010)「危険なプロット」(2012)「17歳」(2013)「彼は秘密の女ともだち」(2014)等のフランソワ・オゾン(1967〜)。出演はアレクサンドラ・ラミー、セルジ・ロペス、メリュジーヌ・マヤンス、アルチュール・ペイレ、アンドレ・ウィルム、ジャン=クロード・ボル=レダ、マリリン・エヴァン、ヴェロニク・ジョリー、マルティーヌ・ヴァンドゥヴィル、ミリアム・アザンコ、ディエゴ・トシ、フランソワ・ルケーヌ、ジュリアン・オーラン、エリック・フォルテール、アキム・ロマティフ他。「恋の闇 愛の光」(1995)等のローズ・トレメインの短編小説『Moth』を基にフランソワ・オゾンとエマニュエル・ベルンエイムが脚本を執筆。撮影はジャンヌ・ラポワリー。7歳の娘リザ(マヤンス)と2人暮らしのシングルマザーで工場勤めのカティ(ラミー)は、スペイン人の新入工員パコ(ロペス)と出会い、恋に落ちる。やがてパコはカティと同居するようになるが、それまで母を独り占めしてきたリザはすっかり不機嫌に。更にカティとパコの間に赤ちゃんのリッキー(ペイレ)が生まれ、ますます不満を募らせるリザ。そんなリザを見かねたパコは、今まで以上にリザの面倒を見るようになり、リザは次第に心を開いていく。しかし仕事に行き詰ったパコと、育児に追われるカティは衝突を繰り返すようになる。そんなある日、リッキーの背中に痣を見つけたカティはパコの虐待を疑い、怒ったパコは家を出て行ってしまう。ところがしばらくすると、なんとリッキーの背中から小さな翼が生え始め、ほどなく部屋の中を危なっかしく飛び回るようになる。世間に知られては大変と、必死に秘密を守るカティとリザだったが……。天使のような赤ん坊リッキーによって、離ればなれになっていた家族の絆が修復されていく過程を描くドラマ。2009年度ベルリン国際映画祭正式出品作品。

音楽はフランソワ・オゾン監督作品の常連作曲家であるフィリップ・ロンビ(1968〜)。「Ricky (theme)」は、ロンビ自身のピアノ・ソロとストリングスによるややメランコリックで美しいリッキーの主題。このメインの主題が「Generique debut」「Nuit sur le lac」「Evolution」「La revelation」と何度も繰り返される。「Pre-generique」は、不気味で幻想的な曲。「Naissance」「Les premiers jours」「Premiers signes」「Lisa」「Seule」「L'hopital」は、抑制されたタッチのサスペンス音楽。「Consequences」「Le retour de Paco」は、ハイテンションでダイナミックなサスペンス音楽。「L'envol」は、大らかでジェントルな主題から後半サスペンス調へ。「Generique de fin」は、メインの主題によるエンドタイトル。「The Greatest」は、アメリカの女性歌手キャット・パワー (ショーン・マーシャル)のヴォーカルによる英語の挿入歌。オーケストラにグロッケンシュピール等を加えた演奏で、ヴァイオリン・ソロはステファン・ロデスク、チェロ・ソロはレイモン・メイヤール。限定プレス。
(2015年8月)

Philippe Rombi

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