ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮  EN KONGELIG AFFAERE

作曲:ガブリエル・ヤレ、シリル・オーフォール
Composed by GABRIEL YARED and CYRILLE AUFORT

指揮:ヘンリク・ヴァン・クリステンセン
Conducted by HENRIK VAGN CHRISTENSEN

演奏:デンマーク国立室内管弦楽団
Performed by the Danish National Chamber Orchestra

(スウェーデンMoviescore Media / MMS-12006)

 ★TOWER.JPで購入


2012年製作のデンマーク=スウェーデン=チェコ合作映画(日本公開は2013年4月/英語題名は「A ROYAL AFFAIR」)。監督は「(未公開)キッズ・ミッション」(2002)「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」(2009)等の脚本や「(未公開)ルルの冒険 〜黄金の魂〜」(2007)等の監督・脚本を手がけているデンマーク出身のニコライ・アーセル。出演はアリシア・ヴィカンデル、マッツ・ミケルセン、ミケル・ボー・フォルスガード、トリーヌ・ディルホム、デヴィッド・デンシック、トーマス・W・ガブリエルソン、サイロン・メルヴィル、ベント・マイディング、ハリエット・ウォルター、ローラ・ブロ、ソレン・モーリング、ヤコブ・ウルリック・ローマン、ソレン・スパニング、フレデリック・クリスチャン・ヨハンセン、ジョン・マルティヌス他。ボーディル・スティンセン=レトの原作『Prinsesse af blodet』を基にニコライ・アーセルとラスマス・ヘイスターバングが脚本を執筆。撮影はラスムス・ヴィデバック。製作総指揮に「ダンサー・イン・ザ・ダーク」(2000)「ドッグヴィル」(2003)「マンダレイ」(2005)「アンチクライスト」(2009)「メランコリア」(2011)等の監督ラース・フォン・トリアーが参加している。デンマーク王室史上最大のスキャンダルとして知られる18世紀後半の実話を映画化した歴史ドラマ。絶対王政末期、英国王ジョージ3世の妹カロリーネ・マティルデ(ヴィカンデル)は15歳でデンマーク王クリスチャン7世(フォルスガード)と結婚する。しかし精神を病んでいた王との結婚はすぐに絶望へと変わり、世継ぎが誕生して以降は王宮で完全に孤立してしまう。そんな中、外遊先のドイツで症状を悪化させた王は、野心家のドイツ人ヨハン・フリードリヒ・ストルーエンセ(ミケルセン)を侍医として採用、自国へ連れ帰る。ストルーエンセは王の唯一の理解者であり親友となる一方、孤独な王妃カロリーネの心も虜にし、禁断の恋に落ちていく。やがて啓蒙思想を信奉するストルーエンセは、国王の言動を操り、事実上の摂政として数々の改革に乗り出していくが、不満を募らせた保守派貴族たちは密かに政変を起こそうと画策する……。2012年度アカデミー賞の外国語映画賞(デンマーク)、同年のゴールデン・グローブの外国語映画賞(デンマーク)にノミネートされているほか、同年のベルリン国際映画祭の銀熊賞(男優賞/ミケル・ボー・フォルスガード)と銀熊賞(脚本賞)を受賞している。

音楽は、ベテランのガブリエル・ヤレと、彼のオーケストレーターを務めていたフランスの作曲家シリル・オーフォールが担当。「Caroline's Theme」は、ストリングスとピアノによる繊細でメランコリックかつドラマティックなカロリーネの主題。「King's Arrival」「Summer Castle」「Hope Theme」は、静かにジェントルな曲。「Inoculation」「Caroline's Idea」は、抑制されたタッチの曲。「Love Scene」は、ドラマティックで情感豊かなラヴ・テーマ。「Queen's Chamber」「King of Prussia」「We Are a Family」「Christian Signs」は、ダークで静かなタッチの曲。「Revolution」は、ヤレの得意とするスリリングでサスペンスフルなタッチの曲。「Execution」は、繊細でメランコリックな主題から後半ドラマティックに盛り上がる。「Journey of the Letter」は、メランコリックなピアノ・ソロ。ラストの「Adagio」は、繊細かつドラマティックなアダージョで締めくくる。クラシカルで上質なタッチのスコア。


シリル・オーフォール(1974〜)は、リヨン国立高等音楽学校で音楽を学び、ドキュメンタリーや短編映画のスコアを担当した後、アレクサンドル・デスプラやガブリエル・ヤレのオーケストレーターを務め、作曲家としてはヴィンチェンゾ・ナタリ監督の「スプライス」(2009)等のスコアを担当している。

シリル・オーフォール が手がけた作品には、
「(未公開)L'empire du milieu du sud」(2002/Documentary)
「(未公開)Le Monde de Raoul」(2003/Short)
「(未公開)La tete dans les etoiles」(2005/Short)
「(未公開)9A」(2006)
「(未公開)Hell」(2006)
「(未公開/TV)La maison Tellier」(2008)
「(未公開/TV)Cet ete-la」(2009)
「スプライス(Splice)」(2009)
「マーガレットと素敵な何か(L'age de raison)」(2010)
「(未公開)Le passage」(2011/Short)
「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮(En kongelig affare)」(2012)
「(未公開)Ombline」(2012)
「(未公開)Cold Warrior」(2012/Short)
「(未公開)Douce Nuit」(2013/Short)
「(未公開/TV)Je vous presente ma femme」(2013)
等がある。

(2013年12月)

Gabriel Yared

Cyrille Aufort

Soundtrack Reviewに戻る


Copyright (C) 2013  Hitoshi Sakagami.  All Rights Reserved.