(未公開)ストレンジ・インベーダーズ  STRANGE INVADERS

作曲・指揮:ジョン・アディスン
Composed and Conducted by JOHN ADDISON

(米Intrada / Intrada Special Collection Vol.212)

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1983年製作のアメリカ映画(日本では劇場未公開でビデオ発売済)。監督は「(未公開)ストレンジ・エクスペリメント」(1981)「(未公開)ヴィクトリア」(1985)等のマイケル・ローリン。出演はポール・ル・マット、ナンシー・アレン、ダイアナ・スカーウィッド、マイケル・ラーナー、ルイーズ・フレッチャー、ウォーレス・ショーン、フィオナ・ルイス、ケネス・トビー、ジューン・ロックハート、チャールズ・レイン、ルル・シルバート、ジョエル・コーエン、ダン・ショア、デイ・ヤング、ジャック・ケーラー、マーク・ゴッダード他。ウィリアム・コンドン、マイケル・ローリンとウォルター・ハルゼーの原案を基にウィリアム・コンドンとマイケル・ローリンが脚本を執筆。撮影はルイス・ホーヴァス。昆虫学の教授チャールズ・ビゲロー(ル・マット)は、彼の元妻マーガレット(スカーウィッド)の親戚たちから行方不明になった彼の娘エリザベス(シルバート)の養育権を要求される。チャールズは雑誌記者ベティ・ウォーカー(アレン)の助けを得て、エリザベスを探すためマーガレットの故郷イリノイ州のセンターヴィルを訪れるが、この町の住民は1958年以来エイリアンたちに乗っ取られていた……。1950年代の宇宙人侵略ものSFへのオマージュを込めた低予算映画。

音楽は「トム・ジョーンズの華麗な冒険」(1963)「探偵<スルース>」(1972)「カリブの嵐」(1976)「シャーロック・ホームズの素敵な挑戦」(1976)「遠すぎた橋」(1977)等で知られるイギリスの作曲家ジョン・アディスン(1920〜1998)で、これは彼が晩年に米国で手がけたスコア。「Centerville」は、オーケストラにサックスをフィーチャーした牧歌的でジェントルな主題。「Mother Ship & Main Title」は、不吉なサスペンス音楽からアディスンらしい勇壮なマーチによるメインタイトルへと展開。「Bugs」「Dog Howls」は、ホラー調のサスペンス音楽。「Journey to Centerville」は、ジェントルで繊細な主題から後半ストイックでドラマティックな主題へ。「Nasty Newman」「Coach Party」「Room Service」「Alien Professor」「Earl Struck」等は、オーケストラにシンセサイザーを加えた不気味なサスペンス音楽。「Blow Up Car」「Don't Move」は、ビジーなサスペンスアクション音楽。「White Moth」は、ドラマティックでサスペンスフルな主題から後半アクション音楽へ。「Fire Escape」「Runaways」は、ダイナミックなアクション音楽。「Kidnap」は、アディスンらしいオールドファッションな活劇調が楽しい。「Train Talk」は、ドラマティックでややメランコリックな主題からシンセサイザーを加えたサスペンス音楽へ。「It's Time」は、メインのマーチの主題。「Project Leader」は、荘厳なオルガンをフィーチャーした曲。「Return to Saucer」は、シンセサイザーを加えたサスペンス音楽からマーチの主題、ビジーなアクション音楽へと展開。ラストの「Escape from Spaceship & End Credits」は、ダイナミックなアクション音楽から大らかに盛り上がるクライマックス。続いてドラマティックでややメランコリックな主題からメインのマーチの主題へと展開するエンドクレジット。アディスンとしては珍しいジャンルだが、彼の個性がよく出たオーソドックスなオーケストラル・スコアで、低予算のSF/ホラー映画ながら気品を感じさせるところはさすが。
(2012年11月)

John Addison

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