ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 HARRY POTTER AND THE PRISONER OF AZKABAN

作曲・指揮:ジョン・ウィリアムス
Composed and Conducted by JOHN WILLIAMS

(米Warner Brothers / 83711-2)

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2004年製作のアメリカ映画。J・K・ローリング原作のベストセラー小説「ハリー・ポッター」シリーズの第3弾で、監督は1、2作目のクリス・コロンバスに代わり、「リトル・プリンセス」(1995)「大いなる遺産」(1998)「天国の口、終りの楽園。」(2001)等のアルフォンソ・キュアロンが担当。出演はダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント、エマ・ワトソン、ゲイリー・オールドマン、ロビー・コルトレーン、マイケル・ガンボン、リチャード・グリフィス、アラン・リックマン、フィオナ・ショウ、マギー・スミス、ティモシー・スポール、デヴィッド・シューリス、エマ・トンプソン、ジュリー・ウォルターズ、トム・フェルトン、マシュー・ルイス、マーク・ウィリアムズ、ワーウィック・デイヴィス、デヴィッド・ブラッドリー、ロバート・ハーディ他。脚本はスティーヴ・クローヴス、撮影はマイケル・セレシンが担当。ホグワーツ魔法学校の3年生になったハリー・ポッター(ラドクリフ)とロン(グリント)、ハーマイオニー(ワトソン)の3人は、新たな危機に直面する。ヴォルデモートの手下である凶悪犯シリウス・ブラック(オールドマン)が牢獄アズカバンから脱走し、ハリーを探し回っているというのだ。そしてホグワーツには、危険な脱獄囚から生徒を守るため吸魂鬼ディメンターたちがやって来る・・。

音楽は1、2作目に引き続きジョン・ウィリアムスが作曲。「Lumos! (Hedwig's Theme)」は前作からの主題のアレンジメント。「Aunt Marge's Waltz」はコミカルなワルツ。「The Knight Bus」は「スター・ウォーズ」の「酒場のバンド」によく似たジャズで、懐かしい。「Apparition on the Train」はサスペンス調。「Double Trouble」はロンドン・オラトリー・スクール・スコラの合唱によるミステリアスでファンタスティックな曲。「A Window to the Past」はメランコリックで美しい主題で、今回のスコア全体の白眉。このリリカルな主題は後半の「Finale」「Mischief Managed!」でも登場する。「The Whomping Willow and the Snowball Fight」「Secrets of the Castle」「Monster Books and Boggarts!」「Quidditch, Thrid Year」「The Dementors Converge」等はビジーなアクション・スコア。「Hagrid the Professor」はハグリッド(コルトレーン)の主題で、ケルト風の音楽。「The Patronus Light」は幻想的なコーラス曲。「The Werewolf Scene」「Forward to Time Past」等はサスペンス音楽。ラストの「Mischief Managed!」は、様々な主題がメドレー風に展開する。驚きはないが、手堅い。
(2004年7月)

John Williams

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